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来月から接種が開始される予定の新型コロナワクチンについて

2021.1.26

 2021年2月から新型コロナワクチンの接種が開始される見込みとなりました。
 細かな情報が少ない為、区民の皆様も不安に感じていらっしゃる方も多いと思います。
 新型コロナウイルス感染症は、まだまだ未知のことが多く、特効薬は見つかっていません。
 ワクチンは、新型コロナウイルス感染症対策のもう一つの決め手として期待されています。

(1) 予防接種の役割
 感染症にかかると原因となるウイルスや細菌に対する抵抗力ができます。
 これを「免疫」と言います。免疫力ができる事によって、その感染症に罹りにくくなったり、罹っても症状が軽く抑えられたりするようになります。
 予防接種とは、ワクチンを投与して特定の感染症に対する免疫力をつけることを言います。


(2)ワクチンにはどんなものがあるの?
  ・生ワクチン
    病原性を弱めた病原体からできています。
    その病気にかかった場合と同等な免疫力ができるます。
    MRワクチン(麻疹・風疹ワクチン)、水痘ワクチン、BCG、ムンプスワクチン など
    軽度ですがその病気にかかったような症状が出ることがあります。
  ・不活化ワクチン・組換えタンパクワクチン
    感染力を無くした病原体や病原体を構成するタンパク質からできています。
    生ワクチンよりも弱い傾向があるため、1回だけでは十分な免疫を得られない
    ため、複数回の接種が必要な場合があります。
    四種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ)ワクチン、
    日本脳炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、肺炎球菌ワクチン、
    インフルエンザワクチン、HPVワクチンなど。


(3)新型コロナワクチンはどんな種類になるのですか?
 新型コロナウイルスに対するワクチンは、ウイルスを構成するたんぱくの遺伝情報を投与します。これは既存のワクチンとは全く異なる新しいタイプのワクチンでmRNAワクチン、ウイルスベクターワクチンなどがあります。
 接種された遺伝情報をもとに、体内でウイルスのタンパクを作り、それに対する抗体が作られることで免疫を獲得します。
 mRNAは時間の経過とともに急速に分解されていきます。
 人のDNAに組み込まれることはありませんので、遺伝的な情報に影響を与えることはありません。mRNAを注射してもその情報が長期に体内に残ったり、卵子や精子の遺伝情報に取り込まれることはありません。

(4)新型コロナワクチンは本当に効くの?
 現在、世界の様々な国々で新型コロナワクチンの開発が進められています。
 ワクチンの効果には、対象の感染症に罹りにくくなるものと、罹る頻度は変わらないが発症を予防する、あるいは重症化を防ぐものがあります。(インフルエンザワクチンは、重症化を防ぐワクチンなんですよ。)
 新型コロナワクチンは、試験の結果、ワクチンを投与された人のほうが投与されていない人よりも、新型コロナウイルス感染症を発症した人が少ないとの結果が出たと発表されています。
 ワクチンが完成して時間があまり経過していないため、長期的な観察データはありません。このため、効果の持続期間については明らかになっていません。

(5)副作用(副反応)は大丈夫なの?
 日本で開始される予定のワクチンでは、接種後にワクチン接種と因果関係の無いものをふくめて、接種部位の腫れ・痛み や頭痛・疲労感・関節痛などの症状がみられたなどの報告があります。
 コロナワクチンの接種は21~28日間隔で2回必要ですが、1回目よりも2回目のほうが副反応の発現頻度がわずかに高めの様です。
 従来から行われてきたワクチンに比べてこれらの症状が多いようなことは無いようです。また海外で、稀な頻度でアナフィラキシー(急激な強いアレルギー反応)の発生が報告されています。
 既に海外では、日本の全人口の半数以上の方にコロナワクチンの投与が行われましたが(2021年1月23日現在)、重大な安全性の懸念は認められなかったとされています。
 ワクチン接種では副反応により重篤な健康被害を被った場合に救済制度が設けられています。(重篤な健康被害が出ることは極めて稀ですが、0になることはなく避けられない側面もあることから、このような制度が作られています。) 新型コロナワクチンの接種についても、健康被害が出た場合は、予防接種法に基づいて救済を受けられます。(厚生労働省のホームページ、予防接種健康被害救済制度を参照ください。)

(6)ウイルスの変異株が報告されていますが、変異したウイルスにも効きますか?
 一般的にウイルスはどんどん変異していきます。
 変異したとしてもウイルスの本質が全く変わってしまうわけではありません。
 変異というのは、ウイルス全体から見ると小さな変化です。
 小さな変異によってワクチンが効かなくなるという事は、考えにくいと思われます。

(7)ワクチンは海外の3社から供給されるという事ですが、効き方に差は無いのですか?
 どの会社で作られたワクチンも、一定の効果と安全性の試験が行われて認められたものが承認されています。3社のワクチンどれもが一定の同じ様な効果があると予測されています。現在開発が進められている日本のワクチンも試験の結果を見るとかなりの期待が持てる様です。「日本製のワクチンの方が安心できる気がするので、日本製のワクチンが完成するのを待って接種を受けたい。」という声もあるようです。
 しかしワクチンの開始は、早いほど新型コロナウイルス感染症の被害を少なく抑えられると予想されています。ワクチンの一定の効果と安全性が担保されていれば、確保されたものから接種を進めていくのが良いと思われます。

(8)費用はいくらかかりますか。
 全額公費負担となりますので、新型コロナワクチン接種は無料です。

(9)新型コロナワクチンの接種はいつ頃から始まりますか?
 新型コロナワクチン接種には優先順位を設けています。
 ワクチンの量が限られているときには、まず、重症化リスクの高い方に接種すること
 で、重症者や死亡者を減らすことが期待されます。また、医療提供体制を守ることも
 大切です。
 このため、以下の順で接種をしていく方針が予定されています。
 ① 新型コロナウイルス感染症患者等に頻繁に接する医療従事者等
 ② 高齢者
 ③ 基礎疾患を有する方や高齢者施設等において利用者に直接接する職員
 ④ 一般の方
 妊婦を優先するかどうかや、子どもが接種の対象となるかどうかなどは、
 安全性や有効性の情報などをみながら随時検討されていく予定です。

新型コロナワクチン接種についての詳しい情報は、1月22日から公開されている内閣官房のウェブサイト内、「新型コロナワクチンについて」に詳しく公開されています。
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html

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